商業施設調査―イオンモール秋田ー その3:イベントやWebについて

こんにちは。安部井です。サマプロ開始まであと4日!

昨日、無事ビザを取得しました。あとは成田までの交通手段を確保すれば、渡航の準備はおおむね完了します。それ以外の準備(スケッチアップ、自己紹介ppt、帰国後に参加する 日本建築学会大会 の資料づくり)に未だ手をつけられていないので、休む間もなしに旅立つことになりそうです。

今日は商業施設調査の3回目ということで、『イオンモール秋田』のプロモーション活動について報告したいと思います。


1.イベントについて

下の表は今月(2012年8月)に『イオンモール秋田』で行われる予定のイベントです。(引用:『イオンモール秋田』HP)




イベントの強弱と時期

今回は8月のものしか入手できませんでした。こども向けのイベントが多いことがわかります。これは、小学校が夏休みの時期だからだと思います。一方で、『イオンモール秋田』では時々有名人を招いた催し物を行うこともありますが、8月を見るとそのようなイベントは見当たりません。おそらく、何もしなくても人が集まる時期(小中学校の長期休業、お盆、正月など)のイベントと、何もしなければ人が来ない時期のイベントには内容や意味合いに差があるのではないかと思いました。それは、イオンが年中人を集めておきたいからだと思います。ただし、今回得られたイベントスケジュールだけでは、一概には言えませんが。

異なる性質のイベント

表を見ると、“夏のちびっこわんぱく大作戦Part2”なるイベントがある一方で、“キリンゼロハイ試飲イベント”なるものもあります。前者は『イオンモール秋田』を訪れる人を楽しませるもので、後者は商品のプロモーションです。その他、ここにはありませんが、夏の前には“新作水着フェア”があったり、秋になると“新入学フェア”があったりする一方で、“こども工作教室”や“こども絵画コンクール”などが催されることもあります。このように、性質の異なるイベントがあることがわかります。それらを催す時期について、今回の表だけでは考察できませんが、恐らく、イオンがこれまでに蓄積してきた経験を基に、絶妙なタイミングを狙ってやっているのだと思います。

ソフトを変化させて人を飽きさせない

前回のブログ(商業施設調査―イオンモール秋田ー その2)で述べたように、イオンのような郊外にある大型商業施設は客の来店頻度が低いのが特徴です。そのためには、リピーターを確保することが重要だと思います。客をリピートさせるには、客を飽きさせない工夫が求められると思います。そのために重要なのが、“変化”だと思います。
しかし、建物はもちろん、店舗ひとつひとつも月単位で更新することはあっても、常に変化しているわけではありません。すなわち、ハードが変化しない分、プログラムやソフトを変化させることによって人を飽きさせない狙いがあるのだと思います。その意味においてイベントは有効だと思います。
また、ソフトを変化させるという意味において「TOHOシネマズ秋田」が併設されていることは重要だと思います。なぜなら、上映する映画が週単位で更新されるからです。プログラムが高い頻度で更新されるという点で、イベントと共通する性質があると思います。

時間を消費させる

前回のブログでは、イオンは客に多くの時間を消費してもらうために、シネコンやゲームセンターといった時間消費型の施設を併設していると考察しました。イベントも、客に時間を消費させるためには都合の良いものだと思うので、同様の理由で数多く催しているのだと思います。

人を集める

イベントは話題性が強いので、人を集めることに一定の効果をもつと思います。



2.イオンにとってWebの位置づけ

下の写真は『イオンモール秋田』のWebページのスクリーンショットです。(引用:『イオンモール秋田』HP)



2-1.普段見ないのでは

私は、この調査でイオンのホームページをはじめて見ました。つまり、普段イオンを訪れる時にホームページを見てから行くことも無ければ、服や雑貨を探してイオンのホームページを普段見る事もありません。他の人はどうでしょうか。

秋田や『イオンモール秋田』周辺に転居して来る人にとっては、『イオンモール秋田』の情報を知るツールとして役に立つと思います。しかし、生活の一部として人々の日常に入り込めば、わざわざホームページを見る必要がなくなります。

イオンはホームページだけでなく、新聞の折り込み広告も出しています。幅広い世代をターゲットにするイオンにしてみれば、より多くの人の目に留まるのは、おそらく広告ではないかと思います。ホームページの更新頻度と広告の折り込み頻度を比較すれば、どちらに重点を置いているのかが分かると思いますが、今回の調査ではよくわかりません。

2-2.欲しい情報が載っていない

イオンモール秋田』に入る各店舗は、個別にホームページを持っている店も、持っていない店もあります。個別にホームページを持っている店(例:ユニクロ、GAP、無印良品 など)は充実した内容が載ってあるので、『イオンモール秋田』のホームページに詳細な情報を載せる必然性はありません。では、独自にホームページを持っていない店の詳細を『イオンモール秋田』のホームページが提供しているかと言えば、営業時間やキャンペーンが載っているだけで、商品の詳細を知る事が出来ないので、あまり有効な内容でもありません。

今回得られた資料が少ないので一概には言えませんが、この2点から、イオンはプロモーションの戦略としてあまりWebに力を入れていないのではないかと思いました。むしろ、普段生活している感覚として、新聞の折り込み広告やテレビCMなど、不特定多数が偶然目にするプロモーションに力を入れているのではないかと思いました。その理由は断言できませんが、イオンのターゲットが幅広いことも影響しているのかなと思いました。



以上、プロモーション活動についての考察でした。

次回で商業施設調査は最後になります。最後は空間体験について記述する予定です。それではまた!