商業施設調査―イオンモール秋田ー その2:プログラムと平面構成

こんにちは。安部井です。サマプロ開始まであと7日!

海外へ行くのはこれが2度目です。去年の夏にドイツへ行きました。ミュンヘンやベルリン、ニュルンベルクといった都市だけでなく、英語も通じない地方の小さな集落にも行きました。都市にはマクドナルドやケンタッキー、H&M、無印、あるいはガラスのカーテンウォールのビルなど、普段見慣れた光景があって、あまり異国の地に来た感じがしませんでした。でも田舎にはそういったものは一切無く、建築も、店も、何もかも見た事の無い光景が広がっていてとても貴重な体験ができました。中国でも、上海を満喫する一方で、時間があれば地方のまちや村に出かけてみたいなと思っています。

さて、2回目の今回は『イオンモール秋田』のプログラムと平面構成について分析を行ったので、報告したいと思います。


1.プログラムと平面構成について

下図は『イオンモール秋田』内のフロアガイドです。(引用:イオンモール秋田 HP)




平面を見ると、4つの特徴が見えてきました。

大部分が床貸し
イオンモール秋田』は、大部分をテナントが占めていることがわかりました。

集客性の高い店と低い店の位置関係
東側には日用品や生活必需品を揃える「イオン御所野店」、反対の西側には、ユニクロ、GAP、無印良品未来屋書店などのカテゴリーキラーと呼ばれる専門店、相互の中間に小規模小売店が並んでいます。すなわち、両側に集客性の強い店が、その間に集客性の弱い店が配置されています。
このような配置によって、例えば、建物の東端にあるイオン御所野店で夕食の食材を買った人が、“シルキードライ”を買うために建物の西端にあるユニクロへ移動するとき、途中にあるアクセサリーショップで素敵なアクセサリーを見つけて衝動買いをしてしまった、とか、途中にあるインテリア雑貨の店で、前からなんとなく欲しかったデザインの座椅子をたまたま見つけて、新たな購買意欲が喚起された、とか、そんな感じのことが起こり得ると思います。
この位置関係は集客性の低い店にも人を集めるための工夫なんだと思います。

長い時間滞留する店とその位置関係
イオンモール秋田』には「イオン御所野店」やカテゴリーキラーといった小売店に加えて、シネコン(TOHOシネマズ秋田)や大きなゲームセンター(SOPIA)、飲食店街が併設されています。これらは時間を消費するための施設です。
そもそも『イオンモール秋田』は商圏が広く、郊外に位置しているので、その分来店の頻度が低くなります。そのため、一回の訪問でたくさんお金を落してもらいたい、そのためには、できるだけ長く留まって楽しんでもらいたい。そういう理由で、時間消費型の施設を設けているのかなと思います。
平面を見ると、それらの店舗は互いに距離を保って配置されていることがわかります。なぜそうなっているのか、現時点でよくわからないので、今後も考察を続けたいと思います。

モール内の店舗の種類がバラバラ
いろんなところにいろんな店が散らばっていることがわかりました。似たような店が集中していると他の所へ人が流れていかないからだと思います。


次に、売っている品物の種類の違いによって店舗を類型化したところ、「小売(アパレル)」「小売(その他)」「飲食」「公共サービス」の4つの型に分けられました。それらを表にまとめました。



この表から2つの特徴が見えました。

小売(アパレル)が最も多い
表を見ると、店舗の数は、「小売(アパレル)」が最も多いことがわかりました。次いで、「飲食」、「小売(その他)」、「公共サービス」の順に数が少なくなっています。

女性のための店が多い
全店舗のうち、レディスのアパレル店、化粧品店、子育て支援といった、主に女性向けの店舗が大多数であることがわかりました。女性が財布の紐を握る日本ならではの特徴なのでしょうか。



以上、プログラムと平面構成について分析を行いました。空間とプログラムが一体となって平面が計画されているような気がしました。

次回はイベント(ソフト面)やWEBから読み取られることについて報告する予定です。ではまた!