サマレクまとめ

こんばんは、安部井です。
おなかを壊してしまい、3日目以降のブログを中断してました…



3日目以降、サマレクをしていただきました。
サマレクでは、商業施設を設計する上で必要な知識を教えていただきました。内容は、

1 SCについて
2 ブランディングについて
3 創意園について
4 アーバンラウンジ試論

の4つです。その中で僕が気になったことを書きます。



1 SCについて

・テナントと賃料の関係

高低)
左:集客性
右:賃料

高  キーテナント、アンカーテナント  低
   サブキーテナント 
   トラフィックプラー 
低  一般テナント           高


SCを計画するときに最も重要なことは、核テナント(キーテナント、アンカーテナント)を入れることです。人は核テナントを目的にやってくるので、これがないと事業が成立しません。

SCは核テナントに入居してもらいたいので、核テナントに対して優遇措置をとります。その一つが賃料です。核テナントには賃料をほとんど課しません。

そのかわりに一般テナントから賃料をもらいます。これがデベロッパーやオーナーの主な収入源になります。一般テナントは、集客性の高い核テナントの近くに店を構えることによって自身の集客性が向上するというメリットがあり、賃料を差し引いても一定の収益性が見込めます。


・テナントミックス

上記した4種類に区分されたテナントを一つの建物に配置するとき、それぞれどういう位置関係で配置すれば、全体にまんべんなく人が回るのか。

例えば、
不特定多数との接点が弱い上の階に核となるテナントを置き、人を上に行かせる
核テナントが複数ある場合は互いの距離を空けて人を行き来させ、あいだに一般テナントを設けてそれに人を呼ぶ

などがあります。イオンなど商業施設の大手は、経験則に基づいて最適なテナントミックスを行っています。

建つ場所によっても異なります。郊外に建つ場合は施設計画の内側でおさめられますが、都市に立つ場合は周辺との関係(周辺の店舗、動線、アクセスポイント)を考慮しなければなりません。



2 ブランディング

・ウォンツとニーズ

どうやったらクライアントがデザインを買ってくれるか。クライアントにデザインを買ってもらうには、クライアントが必要なものを提供しなければなりません。クライアントが必要としているものとは何か。それには、顕在化したニーズと、潜在化したニーズがあります。



潜在化したニーズとは、クライアント自身も気づいていない本質的な要求です。それを発見してクライアントに提案することが、建築を設計する人間の役割であるということです。そのためには、クライアントと綿密なコミュニケーションを図ることや、クライアントの立場になって考えることなどが重要です。


・事業収支計画

日本ではプロジェクトを10年で黒字にする計画を立てるそうですが、中国では3年で黒字にしなければならない。普通にやってもいかないので、戦略が必要。例えば、

・建物が建設途中でもテナントが入り次第オープンする。
・商業施設を建設するために計画敷地内に集合住宅をつくる。中国だと住宅はすぐに満室に。住宅で得た資金で商業施設をつくる。

とか。お金を回すことに関しては、中国の方が日本に比べて圧倒的にうまい気がしました。



3 創意園について

・創意園 = 工場、倉庫の転用 × 創意産業クリエータ

創意園とは、働く、住む、遊ぶの3つの機能を混在させた、24時間の活動空間。オン/オフの区別が曖昧なクリエイティブ層の活動空間として構想されたものです。

クリエイティブ層が刺激を受けるようなオフィスやショップ、カフェ、ギャラリーなど、クリエイティブ層の活動に刺激を与えられるようなテナントが入るようにコントロールされています。

ビジターとオフィスワーカーが交わる場所、交わる動線が生まれるような平面構成になっています。



4 アーバンラウンジ試論

・商業施設はどうすれば建築の表舞台にたてるのか

なぜ今たててないのか。

その理由は、
・建築家が事業の目的性を考えないから
・儲けるための形態原理ができあがっているから(イオンモールなど)

商業施設が建築の表舞台に立つためには、建築家が商業施設を設計することの優位性を示さなければなりません。建築家が設計することの優位性とは、従来プログラムで売り上げを伸ばすことに主眼がおかれていた商業施設の施設計画に対して、空間構成で売り上げを伸ばす視点を提示することです。


・水平/垂直プランニング

商業施設を水平に計画する場合
①アンカーテナントの位置、②小売店で儲ける、③駐車場が取り囲む 

商業施設を垂直に計画する場合
①上階に人をあげる、②20%理論、③高さによる賃料の分布、④高さによる目的性の違い


・サードプレイス

商業施設は単に消費のための場としてだけでなく、地域のコミュニティや社会的なコミュニティの担い手として、新しい意味合いをもつようになってきました。そのことを示す概念が「サードプレイス」です。サードプレイスとは、日常生活において、家と仕事場に次ぐ第3の居場所という意味です。



以上です。サマレクの内容で気になったことを断片的に書きました。文字だらけですみません。

今、経済があらゆる生活の場面をつくりだしています。建築も例外ではありません。建築を考える人間は、建築と経済の接点を空間に落とし込んでいかなければならないのだと思います。